イップス歴10年の僕が語るイップス改善法

メンタル
この記事を書いた人
山下晶平

23歳 兵庫県神戸市出身
早稲田大学スポーツ科学部卒業
5歳からテニスを始め、中学2年生の時に全国大会優勝
直後に血行障害、TFCC障害、イップスを経験
8年の時を経てテニス選手兼フリーコーチとして神奈川、東京を拠点に活動中

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この記事で解決できるお悩み
・イップスについての情報を知りたい
・イップス症状が出た時の対処法を知りたい
・イップスを改善するためにはどうすればいい?

8年間イップスを患い改善した僕がイップスと上手く付き合っていくコツを話します

「なんだか打ち方がわからない」

「身体が思うように動かない」

「今まで打てていたショットが打てなくなった」

「腕や身体が固まっておもりをつけているような感覚になる」

このような感覚になったことはありますでしょうか?

これが「イップス」と呼ばれる症状です。

年々増加傾向にあり本当に辛い症状なのに、改善の方法がわからなかったり周りに理解されないことも多い症状です。

この記事ではイップスを10年間経験した僕が学んだことを全て紹介していきます。

自分の経験が少しでも皆さんのお役に立てると嬉しいです。

イップスとは

イップスとは精神的なことが原因で今までできていたことができなくなってしまう症状です。

入り口は精神的な原因が多いですが、最近ではイップスは精神神経疾患と呼ばれており、神経的な要因も大きいとされています。

イップスに苦しんでいる人は少なくありません。

それにも関わらずイップスにはこれをすれば治るというものがなく、多くの人が苦労をしています。

僕自身、13歳の時から23歳の現在まで悩まされています。

10年ほど経験してまだ克服はできていませんが、たくさんのことを学んだので僕が考える改善法をシェアさせていただきたいと思います。

治すものではなく上手く付き合っていくもの

まずはじめに、イップスは治すものではなくうまく付き合っていくものだという認識を持っていただきたいです。

治そう治そうとすると、今の自分を認められず逆に悪循環に陥りやすいです。

そして昔の打てていた自分と比較してしまいます。

それでは精神的にもきついです。

まずはイップスを受け入れて、自分を責めないこと

これがとても大事です。

昔の自分と比較するのではなく、今の自分と向き合い今何ができるかに集中してみましょう。

 

才能を認められた贈り物

イップスになりやすい人の特徴として、真面目、神経質、完璧主義、繊細などが挙げられます。

イップスは真面目にテニスに取り組んでいてかつ才能がある人しかなりません。

適当に取り組んでいる人はイップスになりません

僕の周りでイップスになってる人も、とても真面目で人柄もよく優しい人がほとんどでした。

イップスになった人を見ると、本当に一生懸命頑張ってきたんだなと強く思います。

自分の過去を責める必要はありません。

むしろ本気で頑張ってきたことを褒めてあげてください。

自分のことを認めてあげることからイップスの改善は始まります。

そしてイップスを経験した人は爆発的に強くなる可能性も秘めています。

身体が不自由だったところから思い通りに打てるようになったら相当強いです。

焦らず自分を責めず少しずつ取り組んでいきましょう。

 

イップスになった時に意識すること

ここではイップス症状が出たら具体的にどうすればいいのかについてご紹介します。

人それぞれ合う合わないがあるので、一度試してみて合うものだけ取り入れてみてください。

周りができていることができないということで落ち込む必要はありません。

周りができないことをできるかもしれないし、そもそも周りと比べるのは自分を鼓舞するためだけです。

自分を落としてしまう比較はしなくてオッケーです。

もしそれでも比較してしまうならば、自分を責めるのではなく周りがすごいと褒めまくりましょう。

周りがすごくて自分が普通と捉えることができたら少し楽になるかなと思います。

1、深呼吸する

どんな状況になってもまずは落ち着くことが大事です。

イップス症状が出ているときは頭がいっぱいいっぱいになります。

ゆっくり何度も深呼吸をして頭の中にたまったものを整理するようなイメージを持ってください。

いっぱいいっぱいになっているときは自然と呼吸も浅く早くなっています。

無理やりでも大きく深く息を吸って吐けると、少し落ち着けると思います。

2、力みをほぐす運動をする

基本的にイップス症状が出ているときは筋肉が緊張状態にありそれがひどくなると、岩のように動かない、おもりをつけてるような感覚に繋がります。

肩の上下運動、腕揺らし、身体の旋回、伸びなどなんでもいいです。

自分の身体の緊張を少しでもほぐせるような運動をしてみてください。

身体が固まったまま運動をしすぎるとパフォーマンス低下だけでなく、怪我にもつながりやすくなるので注意です。

3、~すべき、しなければいけない思考になっていないか

イップスは「~すべきだ」「~しなければいけない」という思考によって生まれることが多いです。

そのような思考が動きを制御してしまうのです。

「いい球を打たなければいけない」

「フォームはきれいでなければいけない」

このような思考になっていませんか?

スポーツは自由なのです。

球遅いのに強い人

フォーム変だけど強い人

いくらでもいます。

そう考えると、~しなければいけないことなどほとんどないと思います。

~しよう、~したいという思考にしてみてください。

きっとそれだけでも少し楽になれますよ。

 

4、理想を下げる

イップスになる人は完璧主義であることが多いです。

100点でなければ満足しないという感じになってしまいがちですがこれではしんどすぎます。

理想と現実のギャップがあればあるほど苦しくなってしまいます。

そこで思い切って理想を下げてみましょう。

まずは今のままでできることをする

その次に少し頑張ればできそうなことをする

そうすると少しずつではありますが成長していけます。

いきなり大きな理想を目指しすぎるとできない自分が普通になってしまいます。

少しずつでも成功体験を積んでいけると理想に近づけるだけでなく、自信もつきやすいです。

何事も段階を踏んでいくことが大事です。

できることが増えてきたら都度理想を上げていけばいいのです。

焦らずに少しずつ進んでいきましょう。

5、休憩する

上手くいかないときは休憩をはさみましょう。

イップスはなかなかすぐには改善しません。

上手くいかないときに取り組み続けてもストレスが溜まったり、精神的にもきつかったりでむしろマイナスにもなりかねません。

全体の休憩の時間じゃなくても練習を一度抜けてみてもよいです。

僕はトイレに行くといってゆっくりしたり、正直に現状を話して練習中でも切り替えられるまで少し間食をしたり漫画を読んだりして休む時間を大事にしました。

そうすると一度リセット出来て少し調子が戻ることもあります。

それでもダメなら早退してみてもいいと思います。

上手くいかないくてムキになって頭で難しく考えてるときに調子が戻ったことはありません。

休む時間も大事にしましょう。

 

6、常にボールを見る

イップスの人は目線が無意識に動きやすいということが研究で分かっています。

なぜなのかは定かではありませんが僕自身イップスを経験して非常に思い当たる節があります。

ボールが消えたようになることもあったのですが、それは無意識に目線が外れていたんだなと思います。

目線が外れる→身体が開く→手打ちになる

このパターンがほとんどでした。

ボールの細かいところまで見る意識を持つと目線が安定しますし意識もそこに向いて雑念が消えやすいです。

騙されたと思って一度ボールを見すぎなぐらい凝視してプレーしてみてください。

 

7、思考は常にシンプルに

崩れだすとフォームや打ち方がわからなくなってしまいますが、それを頭で難しく考えすぎてしまうと余計にわからなくなる事の方が多いと思います。

無で打てるのがいいとされていますが、わからないことに対して無になろうとしてもそれは上手くいきません。

僕自身も打てなくなってるのに無になれと言われて無になったら、打ち方わからなさ過ぎてスイングもできなくなりました。

なので僕は考えないようにするより、シンプルに考えることをおすすめしています。

それから考えなくてもできるなと思ったら無になればいいのです。

直したいところがいくつもあっても、一気に取り組んでしまうといっぱいいっぱいになってしまい全部が中途半端になりやすいです。

焦らず一つずつ取り組みましょう。

8、得意なショットの練習をする

苦手の克服は大事ですがそこにばかり着目するとしんどいですし、上手くいきにくいです。

得意なショットの練習の方を多くしてあげると、精神的に充実しますし武器があるというのは自分は安心感を持てるし相手からすれば脅威です。

フォアもバックも平均よりは、バックは少し苦手だけど、フォアはめっちゃ強いの方が怖いです

苦手の克服ばかりに練習時間を割いてしまうと、得意なショットがそちらに引っ張られて調子が悪くなってしまいます。

逆に得意な練習を多くすると、苦手なショットが引っ張られてよくなることもあります。

何より得意なショットの練習は楽しいです。

僕個人としては得意な練習7、苦手な練習3ぐらいでもいいと思っています。

それぐらい好きや得意を伸ばすことには価値があります。

9、極端に改善する

こびりついた癖はちょっとやそっとの意識では全く改善しません。

思い切って極端に修正してみましょう

身体が開くならまずは横向きのまま打ってみる。

だんだん修正するので最初はそれぐらい極端でオッケーです。

自分がこれでもかというぐらい修正しても、周りから見たら普通ぐらいなことが多いです。

これは自分では修正したと思っても、周りから見たら変わっていないということにもつながります。

僕の場合はフェンスに直撃させる練習をすることでスイングが戻ってきたりします。

是非一度やってみてください。

10、意識を別のところに向ける

人間は思考する生き物なので、ただ考えないようにするだけでは雑念が入りやすいです。

考えないようにするより、意識を他に向けるのが良いです。

特に腕に意識がいってしまうことがイップスだと多いですが、腕に意識がいくと間違いなく力が入ってしまいます。

そういうときも腕の力を抜こうとするより、他のところに意識を向けると良いです。

脚を動かす、ボールをよく見る、相手に集中する、展開を考えるなどです。

僕のおすすめは腹筋に軽く力を入れ続けることです。

腹筋に力を入れると腕に力が入りにくくなるし、軸も安定してくれます。

 

11、カウンセリングを定期的にする

イップスは頭がいっぱいになってしまっている状況でもあるのでため込まずに人に聞いてもらうだけで楽になることもあります。

自分がどういうときに崩れたり打てなくなるのかを把握しておくこともとても大事です。

あらかじめどういうときに起こりやすい、どうすればマシになるかなどを把握できていれば少しばかりですが気は楽になりやすいです。

カウンセラーと話すことによって、自分についていろんなことを把握できるようになります

自分で自分の機嫌を取れるような考え方もできるととてもいいですね。

 

12、割り切る

どうにもならないときは割り切ることも大事です

執着をやめて今できることに集中すると逆に良くなることなどもあります。

試合などで打てないことを気にしても打てるようにはまずなりません。

できないことではなくできることに目を向けましょう。

今の状態でできることは何かを考えましょう。

執着を捨てると意外と集中できて、調子があがったりもします。

僕は本当に打てなくなったらとにかく速く動いて、緩くていいから深くか低く返すことに専念しています。

そうやって割り切れると思考がシンプルになるし、意外と相手は嫌がります。

僕の例からすると、強打は出来なくてもスライスとロブでひたすら返してくるのです。

僕が敵だったら嫌です笑

何かを割り切れる選手は強いです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

これらが僕が主に意識していることです。

イップスの乗り越え方は人によって異なります。

自分に合ったものを取り入れてみてください。

イップスとは
・治すものではなく上手く付き合っていくもの
・才能を認められた贈り物
イップスになった時に意識すること
1、深呼吸する
2、力みをほぐす運動をする
3、~すべき、~しなければいけない思考になっていないか
4、理想を下げる
5、休憩する
6、常にボールを見る
7、思考は常にシンプルに
8、得意なショットの練習をする
9、極端に改善する
10、意識を別のところに向ける
11、カウンセリングを定期的にする
12、割り切る

そして一番大切にしてほしいことが「自分を責めない」ことです。

イップスは自己否定や迷いが大きな原因を占めていると僕は思います。

いいショットを打ったら自分を褒めてみてください

そしてミスをしたら自分を励ましてみてください

基本的にイップスになる人は自分に厳しすぎることが多いです。

もっと気楽にプレーしていいのです。

ミスしていいし(スポーツでミスをしないなんてありえない)、自由にプレーしていいのです。

自分を抑え込みすぎないでください。

苦しいことも多いと思いますが、そんな状況でも諦めずに頑張っている皆さんを本当に尊敬します。

身をもってイップスの大変さを味わってきたので、一人でも多くの人の悩みが緩和できたらこれ程嬉しいことはありません。

これからもイップスについてはどんどん発信していきたいと思います。

一緒に前に進んでいけたら嬉しいです。

 


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